オーストリアで看護師になるときに必要な語学力について
日本で現在看護師で働いている方や、看護学校に通っている方の中には、「オーストラリアに留学して看護師になってみたい」という方もいらっしゃると思います。
今回は、オーストラリアで看護師になるとき必要となる語学力や英語の習得方法について考えていきたいと思います。
オーストラリアの看護職は3つに分けられる
オーストラリアでは、役割によって看護職が次の3つに分けられます。
- レジスタードナース(看護師)
- エンロールドナース(准看護師)
- アシスタントナース(看護補助/介護士)
上記の3つの職業に就くためには、オーストラリアでそれぞれ資格を取得する必要があります。
また、求められる英語レベルについてもそれぞれ設定されています。
最も高難度の資格がレジスタードナース、次いでエンロールナース、アシスタントナースと続きます。
正看護師協会が英語力認定のために基準としている4つの試験
オーストラリアの正看護師協会では、各看護職に就業するための条件として、認定している以下4つの英語の試験のいずれかで基準をクリアすることを定めています。
- IELTS
- OET
- PTEアカデミック
- TOEFL iBT
それぞれ確認していきましょう。
IELTS
IELTSとはイギリスのブリティッシュカウンシルやケンブリッジ大学、オーストラリアIDPという団体が行っている英語の試験です。
日本で浸透しているTOEICやTOEFLはアメリカの大学の入学に際し、英語力を確認するテストです。
一方IELTSは、イギリスの他、旧イギリス領のオーストラリア、カナダ、ニュージーランドを中心に世界で120カ国で利用されているテストとなります。
日本とオーストラリアのIELTSの受験地と費用
IELTSは、日本でも東京や大阪をはじめ、名古屋など主要の15都市でテストを受けることが
できます。
費用は、25,380円です。
オーストラリアでは、シドニーやメルボルン、ブリスベンなどの主要な都市で受けることができ、費用は為替相場によって若干異なりますが、400から450オーストラリアドルくらいかかります。
試験の開催頻度は月に4回程度なのでほぼ毎週受けることができます。
とはいえ、受験費用が若干割高なので、できれば一度でパスしたいところです。
IELTSの試験内容
IELTSの試験の内容とそれぞれの制限時間は次の通りです。
試験項目 | 質問数 | 制限時間 |
リーディング | 40問 | 60分 |
ライティング | 2問 | 60分 |
リスニング | 40問 | 40分 |
スピーキング(対面式) | 3セクション | 20分程度 |
IELTSのスコアと難易度
IELTSのスコアは各項目1.0から最高9.0と、0.5刻みで評価されます。
難易度は非常に高く日本の英検1級で大体7.0スコア、TOIECの最高スコア990点で7.5スコアといわれています。
OET
OETとは医者や看護師など医療従事者向けの英語の試験になります。
オーストラリアやイギリス、ニュージーランドなど17カ国で英語能力を証明できるテストになっています。
日本とオーストラリアのOETの受験地と費用
OETは日本でも東京と大阪で試験を受けることができます。
オーストラリアの場合、シドニーやメルボルンなどの主要都市で受験できます。
その他にも、パソコンを使って受験することができるので、受験地から遠い地域にお住いの方でも受けることができるようになりました。
費用は455ドル、もしくは587オーストラリアドルで、日本円にすると58000円から68250円とIELTSに比べると割高です。
OETの試験内容
OETの試験の内容と制限時間は次の通りです。
試験項目 | 質問数 | 制限時間 |
リーディング | セクションA::速読に関する問題 セクションB、C:読解力を問う問題 計42問 | 60分 |
ライティング | 1問 | 45分 |
リスニング | セクションA:医療相談に関する問題 セクションB:医療現場に関する問題 セクションC:プレゼンに関する問題 | 40分 |
スピーキング | 2セクション | 20分程度 |
OETのスコアと難易度
OETは各項目最高スコアのAからEまでで評価されます。
OETの問題は、医療従事者向けのこともあり、医療関係に関するものが出題されます。
また、リーディングでは要点を早い時間で理解できるような力と、文章を読み込んで理解する力、両方求められるので難易度は高いといって良いでしょう。
PTEアカデミック
PTEアカデミックは、2009年に創設された英語を母国語としない方向けの試験になります。
オーストラリア、イギリス、ニュージーランドではビザを申請するときの英語力を図る指標となっています。
その他の地域では大学の入学試験などで導入されているところもあります。
日本とオーストラリアのPTEアカデミックの受験地と費用
PTEアカデミックの大きな特徴として、試験がオンライン形式で採点もすべてAIで行われることです。
日本では東京と大阪で受けることができます。
オーストラリアではシドニーやメルボルンなどの主要都市で受けることができます。
費用は225ドル、または410オーストラリアドルです。
日本円に換算すると、33750円から39770円となります。
PTEアカデミックの試験内容
PTEアカデミックの試験の内容と制限時間は以下のとおりとなります。
試験項目 | 出題傾向 | 制限時間 |
リーディング | ①穴埋め問題 ②段落の入れ替え ③正しい文章を選択する問題 | 30分 |
リスニング | ①要約 ②穴埋め ③間違い探し | 30-40分程度 |
スピーキング&ライティング | スピーキング:自己紹介、朗読、要約など ライティング:要約やエッセイを書く | 50-70分程度 |
PTEアカデミックのスコアと難易度
PTEアカデミックは各項目、スコア10から最高90で評価されます。
難易度としては、医療従事者用のOETよりも比較的、点数を取りやすいです。
ただし一度回答して次に進んでしまうと、後戻りして修正することができないというデメリットもあります。
TOEFL iBT
TOEFL iBTとは、パソコンで英語能力を判断するテストです。
TOEFLは、TOEICと同様、もともとアメリカの大学の入学をする際に広く利用されているテストです。
そのためオーストラリアをはじめ、旧イギリス連邦の国々ではIELTSの利用率の方が高いですが、正看護師協会では英語能力の認定に使われています。
TOEFUL iBTの受験地と費用
TOEFULは日本での認知度が高いため、全国各地の都市で受験することができます。
オーストラリアの正看護師協会が英語力の認定を行う他3つの試験と比べて、日本国内で最も受けやすい試験といえるかもしれません。
オーストラリアの場合、シドニーやメルボルンで受験することが可能です。
なお、TOEFUL iBTは、「HOME EDITION」があり、自宅で受験をすることも可能です。
受験費用はテストの1週間前(郵送の場合4日前)までなら245USドルで受けることができます。
それ以降は手数料として、通常料金に40ドル加算されます。
日本円で換算すると大体36750円から42750円程度となります。
なお、受験日などを変更する場合、別途手数料がかかるので注意が必要です。
また、受験するにはパスポートを取得していることが条件となります。
TOEFUL iBTの試験内容
TOEFUL iBTの試験の内容と制限時間は次のようになります。
試験項目 | 質問数 | 制限時間 |
リーディング | 20問 | 35分 |
ライティング | 2問 | 29分 |
リスニング | 28問 | 36分 |
スピーキング | 4問 | 16分 |
TOEFUL iBTのスコアと難易度
TOEFUL iBTは、各項目0点から30点満点で評価されます。
難易度はIELTSよりも高いといわれており、理由として英語力以外の要約できる力や、表現力、分析力が問われるためです。
看護職に求められる英語力の基準
オーストラリアで看護職に就く場合、レジスタードナース、次いでエンロールナース、アシスタントナースで異なります。
それぞれ確認していきましょう。
レジスタードナース
レジスタードナースになるためには、オーストラリアの大学などで看護学の博士号をとる必要があります。
ただし、日本で大学の看護科を卒業しており、正看護士の資格を得ているかつ、臨床経験がある程度あるような場合には、英語力が基準に達していればオーストラリアの看護学の博士号を取得しなくてもレジスタードナースになることができます。
それ以外の方は、まず看護学の博士号を目指すことになります。
オーストラリアの博士号を取るには大学に入学する必要があります。
英語能力は、正看護師協会の基準に合わせて次のように設定されているところが多いです。
試験名 | 質問数 |
IELTS | 各項目7.0以上 |
OET | 各項目B以上 |
PTEアカデミック | 各項目65以上 |
TOEFUL iBT | 全項目94以上 リーディング:24 リスニング:24 ライティング:27 スピーキング:23 |
上記の英語の基準をクリアしないと、基本的に看護学の博士号をとることができません。
また、看護学の博士号を取得後正看護師協会に登録をするためには、過去2年間に受けた上記の試験結果を提出する必要があります。
博士課程は取得までに3年かかるため、一度クリアしたとしてももう一度提出しなければならなくなる可能性があります。
エンロールナース
エンロールドナースは、TAFEという公立の専門学校に行き、「Diploma of nursing 」というコースを履修して修了し、正看護師協会の登録することによってなることができます。 レジスタードナースのように明確な基準が定められているわけではありませんが、大体IELTS 6.5から7.0程度必要だと言われています。
アシスタントナース
アシスタントナースはエンロールドナースと同じく、TAFEに行き、アシスタントナースの専門コースを修了することによってなることができます。
明確な基準が定められといるわけではありませんが、IELTS6.0は必要とされています。
まとめ
今回はオーストラリアで看護師になるときに必要な英語能力などについて解説していきました。
オーストラリアで看護師となる大きな壁は言語の違いがあります。
特に日本語と英語は文法などが全く異なるため習得するのは非常に大変だと思います。
そのため、看護留学を検討した場合には、サポートしてたもらえるかが大切です。